五條市版地域包括ケアシステム全体構想の実現に向けた取組みとして、認知症になっても住み慣れた地域でその人らしく暮らし続けられるよう、認知症の人やその家族へ支援体制の仕組みを構築するための取組として、シールの導入を検討してきました。認知症によって行方不明となった相談は、ケアマネジャーや警察等からの相談が多く、年間で5件程度です。
平成29年度圏域別地域ケア会議で、「認知症にやさしい地域づくり」をテーマに議論する中で、市民から「認知症の方が行方不明となった場合の目印があればいい」との声がきっかけとなり、まずは、他市で取り組んでいた見守り体制やシールの導入事例等を情報収集しました。その結果、行方不明となるおそれのある方に対して、衣服等に貼るQRコードシールを配布し、読み取ると身元が判明するツールとしてとても有効だと考えました。
他市で導入しているシールのほとんどは、番号のシールやQRコードシールであり、読み取ると、市役所や警察の連絡先が記載されているものだった為、夜間や休日の対応に不安がありましたが、どこシル伝言板は、発見後保護され、保護者の元へ帰るまで、発見者と保護者間で伝言板サイトを介してやりとりが可能となるため、夜間や休日を含め24時間迅速に対応できるところに魅力を感じました。また、初期費用が安価で、ランニングコストについても費用削減でき予算範囲内だったことやシールを貼ることにより支援が必要な方であるという目印となり地域でのさりげない見守りに繋がるところについても導入の決め手となりました。
どこシル伝言板の導入にあたって、このシールを広く市民や関係機関に周知することが必要不可欠ですが、どこシル伝言板は、導入する自治体に対して周知等を手厚くサポートしてもらうことができます。24時間365日早期対応、身元確認、保護等ができるツールとして、非常に期待できると考えます。